Kunitachi Art Center 2024|5周年記念トーク・2日目
2024.12.16
2日目「地域でアート」
登壇してくださったのは、WALLAの大石一貴さん、大野陽生さん、吉野俊太郎さん。Tama Art Collective の井上光太郎さん、中村亮一さん。Kunitachi Art Center の企画メンバー 福嶋幸平さん、丸山晶崇さん。同じくメンバーの加藤健介さんが1日目に引き続き、司会進行をつとめるかたちで和やかにトークがはじまりました。

|地域へはいっていく
WALLA は、東京都小平市にある二階建ての一軒家で、アトリエ&ギャラリーとしてアーティストが共同で運営をしているスペースです。2019年に始動した活動は2024年12月いっぱいで幕を閉じるそう。この日のトークでは、床板の張り替えなど立ち上げ当初のエピソードから不定期に企画・開催をしてきたイベントや展覧会、そしてスペースを介した地域の方々との交流などいろいろなお話しが聞けました。
Tama Art Collective は、多摩地域を拠点に制作活動を行っているアーティスト同士のつながりから結成されました。チームであることを強みに変換して、共同であったり個個であったり、時には多摩を飛び出してアーティスト活動の幅を広げていきながら、同時に吸引力をもった地域の方々と呼応しあうような関係づくりにも発展してきた様子が伺えました。
Kunitachi Art Center については、ここで改めて紹介をする必要はないかもしれないけれど… 国立市を舞台にしています。国立市周辺にすでにスペースをもって活動を行っている写真家やアーティスト、デザイナー、街づくりに深く関わっているメンバーによって企画された地域密着のアートイベントです。
この日、登壇をされた皆さんは、仲間のような関係性をベースに活動をされていますが、その -はじまりかた- がバラバラでした。
一般的に[アーティストが同じ目的を達成するために共に活動をする]と定義されることが多いアーティスト・コレクティブですが、Tama Art Collective の皆さんもまた同様の構想のもとにあつまったチームだといえるでしょう。 一方で WALLA の皆さんは[主義主張を一にしない個々の目的を達成できる場]としてスペースを共同で運営するという形をとっていて、ある種、対極にあるような理念を感じました。そして Kunitachi Art Center はメンバーが個個で属している分野で培った知見を発揮して協力しあいながら、年に一度の本イベントの企画を担っています。
|関わりながら芽生えていくもの
発足にいたったストーリーがそれぞれにあるように、直面してきた問題や感じている課題、活動内容は本当にさまざまでした。
アーティストならではの切り口で、地域にころがっている特性を掘り下げてみたり、みえてきた課題に対して地域の方々と一緒になって向き合ったり。かっちりとした目的を定めないことで、あたらしい可能性がみつかるかもしれない、そんなゆるやかさも含んだ関わりかたが「地域っぽい」なと思いました。
両日のトークを通して感じたことはいくつもありましたが、印象につよくのこっているのは、地域プロジェクトに携わっている皆さんの在り方はとても多彩なもので、はっきりとした決まりのないプロセスを辿っているということでした。そして、予期していなかった問題や自然な流れからうまれる変化の中でつねに模索し続けている様子が伝わってきました。
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はじめての試みとなったKAC5周年記念トークには、国立市にお住まいの方や市外の方も足を運んでくださり、後半に設けた質疑応答では参加者の方々との意見交換もできて「地域とアート」について考えるとても良い機会になりました。
text :Chiyono ISHIMOTO
photo : Ryo ANDO