Kunitachi Art Center 2024|5周年記念トーク・1日目

2日間にわたって開催された「KAC5周年記念トーク」 

国立駅からゆっくり歩いて3〜4分。普段は商工会の方々が利用されている国立商協ビルの2Fにある「さくらホール」を会場にして、ゲストをお迎えした「地域とアート」について考えるトークイベントを開催しました。

1日目「地域のアート」10月12日(土)
2日目「地域でアート」10月13日(日)

各拠点でさまざまな取り組みをされているゲストの皆さんが、どんなトークを展開されるんだろう、と、とても楽しみな気持ちでイベント当日を迎えました。

1日目は、運営や主催をされているお立場から、地域と連携したプロジェクトについて過去のものから進行中のものまで豊富な経験談を語っていただきました。
そして2日目は、おもにアーティストの視点から「地域と関わっていくこと、その在り方」を考えていくトークとなりました。

1日目「地域のアート」
通勤や通学途中にギャラリーがあって、
ちらっと見えるオブジェが、前向きな気持ちにさせてくれる。
何気なく立ち寄ったカフェで目を引く絵があって、
また来たいと思わせてくれる。

地域にアートが散りばめられることで、
そんな光景が少しでも増えてほしいと思います。

改めてそう思わせてくれたのは、
Kunitachi Art Center(以下KAC)の5周年を記念して行われた
「地域のアート」についてのトークプログラムです。

進行役を務めたのは、加藤健介さん(三画舎/一般社団法人ACKT)。
登壇したのは、立場も、アートへの関わり方も異なる以下の4名です。

 

|加藤慶さん(相模原市アートラボはしもと 学芸員)
相模原市の美術施設“アートラボはしもと”は、平成24年に開館して以来、アートを通じたワークショップやコミュニティ形成、アーティスト支援等の活動を行ってきています。
アートやギャラリーといった、人によってはとっつきにくい存在を身近にする活動の数々が印象的でした。

|齋藤啓子さん(武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科 教授)
小学生との造形演劇ワークショップや立川の地下道の壁画制作など、アートを通じて交流の場を生み出し育む活動は、齋藤さんや武蔵野美術大学の学生の方々だからこそできるものだと感じます。
紹介された活動の写真には、老若男女さまざまな人の姿があり、アートがアプローチできる層の広さもうかがえました。

|丸山晶崇さん(museum shop T/一般社団法人ACKT)
KACの運営もはちろん、お金を介さずにつながりの場をつくる“ただの店”、まちの縁側づくりを目指す“GREEN GREETINGS”など、アートを軸に幅広い活動に取り組んでいるACKT(詳細は公式Instagramへ)。
その代表を務める丸山さんは、アートの役割をフラットに捉えている印象を受けました。だからこそ、今回登壇した専門的な分野や行政に関わる方々や地域の声を吸い上げ、巻き込んでいくパワーがあるのだと思います。

|楠本聡さん(国立市教育委員会教育部生涯学習課社会教育・文化芸術係)
アート初心者であるからこそ感じる疑問や思いを、素直にぶつけていた楠本さんの存在は、トークプログラムをより奥行きのあるものにしていました。これはトークプログラム外でお聞きしたことですが、KACに参加している作家さんの絵を買おうか悩んでいるとおっしゃっており、能動的にアートに関わり、心に残る作品との出会いを見つけた楠本さんから、改めてアートの力を感じました。

楠本さんが自己紹介の際に投げかけていた『「誰ひとり残さない」は、アートでも実現できる?』の問いを引用するならば、アートは受け皿のような存在になりうるのではないでしょうか。

誰かの心の拠り所になったり、勇気を与えたりする受け皿です。

 

text: Text : Marino YAMAMOTO
photo : Ryo ANDO